革の寿命
ヌメ革の寿命について
今回は、革の寿命について、書きたいと思います。
みなさん、今お使いの財布などの革製品、どのくらいの日数、お使いですか?
一般的に、本革は10年といわれています。
正直、この数字の根拠はどこにあるのか、少し考えてみます。
革とは
まず、革とは、なんでしょう。
牛の皮に薬品などを使い処理した革のことを革と呼びます。そして、この処理のことを鞣し(なめし)と言います。
革には、鞣しの方法から、薬品で鞣すクロム鞣と植物に含まれるタンニンで鞣したタンニン鞣しの二種類があります。
特に、タンニンで鞣した革のことをヌメ革と呼んでいます。
ヌメ革の特徴として、自然界にあるタンニンで鞣すため、環境に優しいのが一番の特徴です。
革に触れた感覚、匂いや風合いが感じられるるのもヌメ革です。
そして、丈夫で長く使え、経年とともに色合いの変化も楽しめます。
しかし、
水に弱い弱点があります。雨でシミができたり、メンテナンスを怠ると最悪カビが生えることもあります。
つまり、水滴に注意し、しっかりメンテナンスをすれば、何十年単位で使えるのがヌメ革になります。
なぜ10年の寿命?
では、なぜ本革の寿命は10年とされているのでしょう。
私が考えるに、
革以外の寿命があると思います。
たとえば、金具。
バネホックは、開閉の頻度にもよりますが、3年もするとバネが弱ります。
メッキの金具の場合、メッキが剥がれることも考えられます。
財布の裏布も寿命は短いです。
よく、小銭入れの裏地に布が使われていますが、小銭が直接当たるため、1年もすれば擦り傷だらけになります。
そして、一番寿命の短いのが縫い糸です。
ミシン縫いの場合、糸も細く、縫い穴のピッチも短いです。
ピッチが短いと、裏布が切れやすくなります。
二つ折りの財布など、革が折れ曲がる部分に糸があると、切れやすいです。
革が折れ曲がるたびに、糸に負担がかかるためです。
まとめ
今回、革の寿命についてお話ししました。
革自体の寿命はメンテナスをすれば、長い寿命が期待できます。
しかし、革製品の寿命は、革以外の寿命に起因すると言えます。
このことを踏まえて、デザインだけではなく、長く使える革製品を探してみるのもいいかもしれませんね。